大手マイニング企業が明かす「ビットコイン半減期の見立てと仮想通貨投資戦略」=Bitfury紺野勝弥

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大手マイニング企業が明かす「ビットコイン半減期の見立てと仮想通貨投資戦略」=Bitfury紺野勝弥
 

大手マイニング企業が明かす「ビットコイン半減期の見立てと仮想通貨投資戦略」=Bitfury紺野勝弥

日本ではマイニングへの需要が感じにくい、マイニング業界の現状

紺野氏)マイニングは投資リターンが高い金融商品であり、株や債権と比較してリスクリターンのプロファイルの設計が全く異なる金融商品として、投資家に興味を持たれる投資商品だと考えています。

また、減価償却が取れて、かつ高いリターンが見込める商品は多くないため、富裕層や中小企業のオーナーの方からの節税ニーズもあります。日本の事例で言えば、昨年度の税制改正の大綱で、国外不動産の節税対策が厳しくなることもマイニング投資の追い風になると見込んでいます。

マイニングは規模の経済(規模が大きいほどコストが下がることを指す経済用語)が重要であり、一単価がかなり高い商品です。例えばモバイルデータセンターと呼ばれるコンテナ型のものでも数億円レベルになります。これを1000万円単位で販売しています。

それでも一般の方は投資しにくい状況があるため、マイニングファンドなどを組成し、金商法上のライセンスを持っているパートナー企業と組むことで、一般投資家へ小口投資の機会を提供できると面白いと考えています。

世界的な需要

世界的な需要についても、非常に強いです。Bitfuryでもカザフスタンでマイニングファームを行なっているものがありますが、すでに区画が埋まり切っている状況です。

今の状況でも月利で4〜5%ほど、年間で50〜60%程度のリターンが見込める商品として、ヨーロッパの機関投資家を中心に需要があります。

投資リターンの確保

マーケットなどの投資戦略などもフォローしますが、マイニングにおいて最も重要なのは電気代です。

チップも7nmや5nmなどが新しく出るとのニュースが度々ありますが、電気代に比べるとチップの性能差の影響は大きくないと考えています。

電力代の重要性を具体的に説明すると、電気代が安い地域で電力効率が劣るマシンを回す投資リターンと、電気代が高い地域で電力効率がいいマシンを回す投資リターンでは、ある一定の水準を超えると前者のほうがリターン率が上回る状況です。

このような状況からも、現在のマイニング業界は規模の経済が非常に重要になってきています。いかに電気代を抑えつつ、どれだけ大きなファームを運営するか。このポイントへと現在のマイニング業界の競争力がシフトしていると感じています。

Bitfuryが取り組む施策

前述した内容のほかに、マイニングファームもブロックボックスと呼ばれる12メートルほどのコンテナに数百台のマイニングマシンを導入するモバイルデータセンターという方式で事業を行なっています。

この方が災害などのケースへの対応のほか、より電気代が安いファームを建設した際にその場所に移すことも容易にできるため、コンテナで小分けにする対応を行なっています。

グルジアなどでは、マシンを特殊な液体に入れて冷却効率を飛躍的に向上させる液浸技術を活用したマイニングも行なっています。冷却効率の数値では、自社検証の結果で空冷と比較して4000倍ほどの差があります。

実際に160メガワット分ほどのマイニングマシンを液浸技術を使って回していまして、多少高い電気代でも利益を出すこともできています。

5nmチップ

マシン性能の進化については、「商用化できれば」というのがポイントだと考えています。

5nmのチップが製造できれば、もちろんマシン性能は高まりますが、コストが当然のように高くなります。

また、5nmの生産ラインを抑えられているのかという点もあります。

その点を考慮すると、マイニングにフィットした形でその状況に行くには時間がかかるのではないかと考えています。

これも現在、電気代が最も重要な状況になっている点を裏付けています。

(マイニング大手で、5nm搭載チップを発売予定の)カナンの事例

カナンもIPOを行ないましたが、想定金額にも達していないことから、チップの生産ラインをおさえるのは厳しいのではないか、と考えています。

5nmは、他のプロダクトに利用したい企業もいるため、その辺りに生産ラインをおさえられてしまうのではないかと思います。

実現する可能性も十分にありますが、5nmチップの商用化はやはり時間がかかるのではないでしょうか。



マイニング企業がAI開発を行う理由

AIの開発は、新しい技術としてマイニングにも生かす形で開発されています。

AIを既存のマイニング事業に応用するかという点で取り組んでいまして、AI独自の活用という点ではなく、マイニング導入を見据えた開発になります。

私たちも、AIはブロックチェーンと同様に重要な技術であると考えていまして、引き続き強化して行く予定です。

マイニングの拠点

マイニングは寒冷で、電気代が安い地域というのが条件となるため、中国系では四川省がメインで、ウイグル自治区、内モンゴルなどになります。他にはロシアやカナダなどの北米にも拠点を構える業者がいます。

Bitfuryとしては、カザフスタンに注目しており、政府が推進しているフィンテック領域で、その推進に貢献すると考えられている一社として採択されており、カザフスタンでマイニングファームを建設しています。そういった意味では、各業者がその地域で安い電気代を確保するための政府との交渉力なども重要になります。

また、規制も重要なトピックなので、この点でも政府との交渉力、国との信頼関係は必要な状況にあります。

損益分岐点

もちろん損益分岐点は意識しています。マシンの電力効率や電気代が重要で、Bitfuryのケースではかなり安価な電気代を仕入れられているため、損益分岐点を割り込むことはそうそうないと考えています。

また、損益分岐点については、ビットコインの価格を見ながら、他のマイナーの意識するラインも想定して価格のヘッジも行います。その他にも、マシンの在庫管理などにも応用しています。

具体的な価格帯については話しづらいですが、レンジで捉えて実施しています。

現在、最も主流なマイニングマシン

最新機器というよりかは、一世代前あたりのマシンが主流です。

一世代前のものであれば、マイナーチェンジに近いため、古い方で回しても安価な電気代を確保できれば、問題なく利益が出せるためです。

マイニング需要が高まった2017年のマシンも現役でいけます。

S9なども未だに回しているケースも普通にあります。例えば、S9を縦列でつなぎ合わせることで、消費電力は1台分で、2台分の効率を生む実験なども行なっているところもあるようです。ただ、故障などのリスクがデメリットにはなりそうです。

最新マシンを販売するケースもありますが、Bitfuryでは、マシンの耐久性が他のマイナーとは段違いですし、次世代チップが出た場合にチップのみを交換することが可能な仕様になっており、中長期で見た場合の投資効率を高める施策も行なっています。

マイニング報酬の管理

先物やオプションについても、ようやく整ってきたという感じです。

Bitfuryは、ビットコインに特化したマイニング企業であるので、ビットコインの将来的な値上がりを信じているので、安易に売却は行なっていませんが、一定の金額やキャッシュポジションなどを見て少しずつ売却は行います。

マイニング企業の場合、値崩れを起こすことを警戒して、OTC取引が主流な取引方法になるのではないでしょうか。

顧客に返却する際の通貨

マイニングの投資家の方のニーズに合わせて、ドルか、円か、ビットコインか、対応していますが、メインはビットコインでお渡しするケースが多いです。

半減期とマイナーの対応

過去に迎えた半減期におけるビットコインチャートのパターンからも価格は上がるのではないか、と考えています。

マイナーにとっては、半減期で報酬が半減するため、価格が上がってくれないと立ち行かなくなるマイナーも出てくることは間違いなく想定されます。

Bitfuryの場合は、安価な電気代でコスト管理を行なっているため、半減期を迎えてもマシンを止めることはなく、チャンスだと捉えていますが、国際的なマイニング競争は半減期のタイミングで起きると考えています。

価格がうまく上がってこなければ、他の通貨を掘るマイナーの移動は起きると思います。

Bitfury、ビットコインに注力する理由

Bitfuryとしては、ビットコインと他のアルトコインとで差が出てくると考えており、ビットコインの将来性にベットしている状況です。

よって、ASICでマシンを回しているケースも、ビットコイン一本でマイニングを行う予定です。

お客様の需要も、2017年のような特殊な事例であるとイーサリアムのほか、ICO通貨などのアルトコインに向くケースがありましたが、長期で見ると、仮想通貨の将来にベットしている方であれば、ビットコインのこれまでの成長や安定感などを加味すると、ビットコインがファーストチョイスになるのではないか、と考えています。

ハッシュレートの上昇

市場参加者が多いという点が、マーケット価格の安定性や価格の上昇にも繋がっているため、ビットコインハッシュレートの上昇も、そのような需要が主な理由にあると考えています。

半減期への投資需要も一定数あると思います。

価格はもう少し上がって欲しいですが、損益的にも余力があり、業者としても拡大の余地がある状況ではないでしょうか。

例えば、Bitfuryのケースでいえば、2018年の底値である1BTC=3000ドルのラインまで価格が下落しても利益は出る状況です。

マイニング投資の今後の展開

マイニングは金融商品だと捉えています。

わかりやすい計算ロジックに基づいた商品で、リターン率も高いため、しっかりとした金融商品に仕立て上げたいと思います。

過去にはマルチ商法でマイニングが取り扱われていたり、信頼できない業者が多くて悪いイメージもありますが、しっかりとした企業が、規制を遵守した形で金融商品としてマイニングへの投資機会を提供することで、仮想通貨とマイニング、金融が繋がり融合していく良い取り組みになると考えています。

ゆくゆくは、マイニング投資自体をセキュリティートークンに仕立て上げて、自社のブロックチェーン「エグゾナム」でトークン流通を管理することで、仮想通貨と金融の融合をより綺麗な形で提供していきたいです。

マイニング投資の適切なタイミング

駆け込み需要もありますが、半減期前に投資することは、非常に重要だと思います。

マシンの価格はマーケット価格に連動するため、価格が上がる前に投資することで、初期投資を抑えられる利点があるためです。

また、節税目的などでは、決算期末に向けたニーズはあります。

Bitfuryでは実際にマシンを稼働するまでの期間についても、自己資金を使って設備投資を先行し、多くの区画を用意しているため、投資家から注文があれば明日にでも稼働は可能な態勢は整っていると思います。

仮想通貨マイニング企業Bitfuryに聞く業界の実情とは

2011年から仮想通貨のマイニング事業を手がけており、世界有数のマイニング企業であるBitfury Group。

これも現在、電気代が最も重要な状況になっている点を裏付けています。

最新マシンを販売するケースもありますが、Bitfuryでは、マシンの耐久性が他のマイナーとは段違いですし、次世代チップが出た場合にチップのみを交換することが可能な仕様になっており、中長期で見た場合の投資効率を高める施策も行なっています。

同社はマイニングだけでなく、独自ブロックチェーン「エクゾナム」を開発、グルジアの政府と提携し、土地の登記をブロックチェーン上で管理するシステムや音楽の配信権などをブロックチェーンで管理するシステムの開発にも取り組んでいる。

マイニングの事業については、中国の大手マイニング企業Bitmainなどがチップの設計、マシン開発と販売、セルフマイニングといった事業を行う中で、Bitfuryはそういった事業に加え、安価な電力など周辺システムを整備したマイニングファームの運営を行なっており、マイニングの区画販売なども行なっている。

本稿では、Bitfury Group 日本代表を務める紺野勝弥氏に、投資家の方々が気になるマイニングの利益状況から、マイナーの投資戦略、半減期への見解などを伺った。

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