1億5000万円相当のイーサリアム(ETH)が盗まれた! 取引アプリTaylor社がハッキング被害
仮想通貨取引アプリのテイラー(Taylor)は、5月22日にサイバー攻撃を受けた。記事投稿アプリMeduimの記事によると、テイラーがICOで調達した資金をハッカーはすべて持ち去ったとのことだ。その資金の中にはテイラーが独自に発行するトークン(TAY)も含まれる。
このハッキングは 3月に起こったCypheriumChain(仮想通貨サイフェリアムのネットワーク)のハッキングと同一犯である可能性が高いと見られている。 これは、2018年に仮想通貨市場を騒がせている一連のハッキング事件の中でも最新のものだ。
イーサリアム(ETH)約1億5000万円分が持ち去られる
これまでの報告によると、ハッカーはテイラー社が先日実施したICO(仮想通貨を使った資金調達)で調達した総額2,579.98 ETH(135万ドル:日本円約1億5000万円)の仮想通貨を全て持ち去ったそうだ。
さらに、ハッカーはテイラーの運営チームが保有する独自発行のトークン(TAY)も持ち去っている。ハッキングの被害を逃れたのはテイラー創設者と開発顧問が所有するプール(貯蔵庫)だけであり、これらのプールは強固なアクセス制限をかけられていたため、ハッカーはこれにアクセスすることができなかったのである。
テイラー社の推測によると、ハッカーは、盗んだトークンをIDEX(イーサリアム“ETH”を扱う大手仮想通貨取引所)で売ろうとしているそうだ。そのため、彼らはIDEXに呼びかけ、事態を収束させるまではTAYを売買リストから除外するよう呼びかけた。
今回のサイバー攻撃に関してテイラー社は次のようにコメントしている。
「ハッキングが起こった原因と手口に関しては現在も調査中です。現時点では今回の事件に関してはっきりと説明できることがありません。ただ1つだけ言えることは、今回行ったICOは完全に失敗してしまったということです。私たちのデバイスはハッカーになんらかの方法でアクセスされ、ワンパスワード(様々なアカウント等を一括管理するパスワード)のファイルを握られてしまったのです。」
被害に対する補償はどうなる?
テイラー共同設立者兼CEOのFabio Seixas氏は記事投稿アプリMediumでの書き込みで、次のように述べている。
「私たちはハッキングの被害を受け、ほとんどの資産を失いました。現在残っている資産はたったの約2万5000ドル(日本円約270万円)しかありません。正直なところ、今月の請求さえも支払うことができない状態です。この事件を機に、私たちは一旦立ち止まり、そこから一歩下って、これからの未来を考えていく必要があります。」
テイラーの運営がまず始めなければならないことは、盗まれたTAYの補償を行うことである。報告によると、ハッカーはTAY全供給量の7%を持ち去ったとされている。
テイラー社はTAYを新規に発行し、ブロック番号5663273に登録されたハッカー以外の全てのユーザーにこのTAYを送金することで、ハッキングの補償を行うそうだ。この取り組みは、TAY保持者に、正当で透明性のある仮想通貨の流通環境を提供するためのものだ。
※日本円換算は記事公開時点のレート
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▼参考
・Bitcoinist.com
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